about
昔から靴を買うのが得意ではなかったです。
お店に行って、いろいろ試し履きをさせてもらっても、しっくりこないことが多く、
悩み抜いて選んだ靴も、履いてると違和感を感じて履かなくなってしまうこともよくありました。
いつも靴には悩まされていたこともあり、
靴の中に入れる中敷きで履き心地が楽になることに驚きました。
中敷に興味を持ち、中敷きの勉強をしたのがきっかけで、
靴屋さんで働くようになりました。
働いていた靴屋さんでは、足の状態をチェックし採寸してから、靴選びをお手伝いするスタイルだったので、たくさんの足を見ることができました。
そこで当たり前だけれど、足にはとても様々な形があるんだと、顔のように人によって全然違うことを実感しました。
同じ足長(サイズ)でも、足幅や甲の高さ、踵の形や足趾の長さ、骨ばっていたり肉厚な足、等々、千差万別です。
また、とてもよく似た足を持つ人にそれぞれ同じ靴を履いてもらっても、
キツイと感じる人もいれば、ちょっと緩いという人もいたり、履く人の感覚や好みがあります。
靴選びをお手伝いしている時、足の形にとってはこちらの靴が他より合っているけど、
デザインはあそこの靴で、色はそっちのがいい、となることもよくありました。
だんだんと、これは、靴は作ったほうが色々といいんじゃないか、
と思うようになり、ある時、靴作りを習いに行きました。
靴を作ってみると、これがまた楽しかったです。
小学生の頃、図画工作で夢中になっていたのを思い出します。
けど、やっぱり靴合わせは難しく、日々、足に合う靴ってなんだろうと考えてます。
作った靴をしばらく履いていると、もうちょっとここはこうしたほうがいいなと考え、
改良しては履いて、また考えてと、どんどん思いは膨らみます。
靴作りを習っている時、周りの人もそれぞれ自分の靴を作っていました。
同じような靴を作っていても、作る人によって雰囲気が全然違って、
その人なりの靴ができあがっていくのが、見てて楽しかったです。
靴は暮らしの中で使う道具です。
道具は使う人、使い方によって形や機能が変わります。
靴も履く人や履き方で形や機能が変わります。
履く人が自分の暮らしを一番知っているので、自分で靴を作ることが、
その人の暮らしに合った靴が出来ると思うようになりました。
しかも作る楽しさも味わえる。
そんな場所にしようと工房を構えてます。
靴選びの選択肢の一つとして、また、モノづくり体験の場として、
工房を利用してもらえたらいいなと思っています。
菅沼靴工房 主宰 菅沼康行
・2002年 靴の学校・フロイデにて、整形靴の基礎を学ぶ。
・2003年 東京、目白のコンフォートシューズを扱う靴店で働きはじめる。
・2004年 moge workshop にて、靴作りを学ぶ。
同時に(株)シュリットで靴の修理、改造に携わる。
・2005年 moge workshopの貸工房制度を利用して、靴作りを続ける。
・2009年 シュリットで靴修理をしながら、東京日野市の自宅近くに靴工房を開く。
・2013年 仙台市青葉区立町に移転。
